コラム

遺骨の自宅保管は良くない?問題点や納骨期限・納骨方法を解説します

 

【この記事を書いた人】

CLASSIX株式会社 営業/終活アドバイザー

https://marutto.classix.life/

 

遺骨を自宅保管する際の問題点・納骨期限・方法を解説します

亡くなった時にお墓が無い、納骨する気持ちになれなかった等の理由で、手元供養を選ぶ方は一定数いらっしゃいます。

実際に手元供養をしていると、自宅での遺骨保管をいつまで続けるか迷うことでしょう。

今回は今後の遺骨保管について考えている方に役立つ、以下の内容をご紹介します。

 

  • 遺骨を自宅に置くのは良くないのか
  • 納骨に期限はあるのか
  • 遺骨を自宅保管することの問題点
  • 納骨の大まかな流れ
  • 近頃選ばれている5種の納骨方法
  • 納骨先を決める際に考えるポイント

 

遺骨との向き合い方はご家族ごとに異なり、様々な考え方があります。

今後の遺骨保管を考えるのに必要な情報をまとめたので、ぜひ最後までお読みください。

 

遺骨を自宅に置くのは良くないのか

遺骨を自宅に置くことは、何の問題もありません。

日本での火葬や埋葬は、「墓地埋葬法」という法律で定められています。

法律内に「遺骨を埋葬できるのは墓地のみ」という規定があるため、穴を掘って埋めることは違法になりますが、骨壺に入った遺骨を自宅で保管することは何の問題もないのです。

火葬から納骨まで、皆さんが一時的に自宅に遺骨を保管することを考えれば、自宅での遺骨保管に問題がないことをイメージしやすいかもしれません。

火葬から納骨までの期間が長いだけなので、遺骨を自宅に保管し続けても問題はないでしょう。

 

 

骨壺内の遺骨を自宅に保管することは問題なく、違法でもないです。

しかし、遺骨を自宅に置いておける期限があるのか、心配な方もいらっしゃると思います。

次は、遺骨を自宅に置ける期限について説明します。

 

遺骨を自宅に置ける期限はあるのか

遺骨を自宅に置ける期限は特に定められていないため、ご家族の意向で埋葬時期を決めることができます。

ここからは、手元供養の期限が定められていない理由、代表的な納骨時期、納骨と成仏との関連を解説します。

 

手元供養に期限は定められていない

手元供養に期限が定められていないことは、法律面、宗教面の両方から説明できます。

法律面では、墓地埋葬法で「死亡から24時間以内の火葬埋葬はできない」という規定はありますが、埋葬までの期限は定められていないのです。

宗教面でも、仏教では納骨の期限を定めていないため、特に問題はありません。

一般的には、四十九日の法要で納骨するご家族が多いと言えます。

四十九日法要以降に納骨する場合は、一周忌や三回忌などの回忌法要に合わせるとスムーズです。

無理に納骨を急ぐ必要はないため、ご家族で話し合って納骨タイミングを決めるのがよいでしょう。

 

関連記事:

納骨のタイミングに期限はある?納骨時期ややり方について解説します

 

納骨と成仏は特に関係ない

仏教では、納骨と成仏は特に関係がないことはご存じでしょうか。

仏教では亡くなってから7週間後に生前の行いによって魂の行き先が決まり、成仏すると言われています。

例外的に、浄土真宗は念仏を唱えることで、裁判なしですぐに成仏できると説いています。

結論として、どの宗派でも納骨と成仏は関係しないため、「手元供養では成仏できない」ということはないでしょう。

 

 

納骨の期限に決まりはなく、納骨の有無と成仏も関係がないことを説明いたしました。

しかし、ずっと遺骨を自宅に置いておくと、何が問題になるのでしょうか。

次は、遺骨を自宅保管することの問題点について説明します。

 

遺骨を自宅保管する際の3つの注意点

自宅で遺骨を保管する際に、注意すべきことは以下の3点です。

  • いつかは納骨する必要がある
  • 遺骨の保管に注意する必要がある
  • 自宅に遺骨を保管することに違和感を覚える人もいる

1つずつ、順番に見ていきましょう。

 

①いつかは納骨する必要がある

1つ目の注意点は、いつかは納骨する必要があることです。

自宅での保管が難しくなった時に、墓地以外の庭や公園に遺骨を埋めてしまうと、ご家族が「死体遺棄罪」に問われてしまいます。

墓地への埋葬は決められた手続きが必要なため、ある程度の時間が必要です。

急に遺骨の保管が難しくなった場合などは、満足できる納骨先が見つからない可能性もあるでしょう。

いつかは納骨する必要があることを念頭に置き、余裕があるときに納骨先を検討しておくことをおすすめします。

 

②遺骨の保管状況に注意する必要がある

2つ目の注意点は、遺骨の保管状況に注意する必要があることです。

現在手元供養をされている方はご存じかもしれませんが、自宅での遺骨保管は以下の点に注意が必要です。

  • 結露を避けるため、温度差や湿気の多い所は避ける
  • 遺骨が湿気らないように、風通しの良い所に保管する
  • 遺骨にカビが生えないように、遺骨を直接手で触るのは避ける
  • 骨壺が倒れないように、安定した場所に保管する

もし現在の保管状況に問題がある場合は、速やかに安置場所を変更しましょう。

 

③自宅での遺骨保管に違和感を覚える人もいる

3つ目の注意点は、親戚や来客の中には、遺骨の自宅保管に違和感を覚える人もいることです。

「骨壺はなんとなく怖い」「なんとなく子どもを近寄らせたくない」などと考える方もいるのではないでしょうか。

法律上、仏教の教え上どちらも問題なく、形が変わっても大切なご家族の身体なのですが、「遺骨」というものに違和感を覚える方がいることも事実です。

根拠のない心情的なことですが、今後の人付き合いに影響を及ぼす可能性がゼロとは言い切れないでしょう。

 

 

自宅での遺骨保管で注意したい点を説明しました。

この説明の中で、墓地への埋葬には手続きが必要と申し上げましたが、実際はどんな手続きが必要なのでしょうか。

次は実際に納骨する時の手続きについて、概要を説明します。

 

納骨までに必要な手続きは4ステップ

納骨に必要な手続きは、大きく4ステップに分けられます。

  • 納骨先を決定する
  • 納骨に必要な書類を確認する
  • 納骨当日の準備をする
  • 納骨を執り行う

お寺での納骨の費用や流れを詳しく知りたい方は、下の記事も参考にしてください。

 

関連記事:

お寺に納骨する方法は?お布施などの費用についても解説します

 

①納骨先を決定する

最初にやるべきことは、納骨先の決定です。

納骨先の候補の資料を集め、見学して契約しましょう。

納骨先とは長いお付き合いになるため、今後の供養、料金プランなどの細かな点もよく検討してから契約することをおすすめします。

 

②納骨に必要な書類を確認する

納骨先が決まったら、納骨に必要な書類である「埋葬許可証」を確認します。

埋葬許可証は、死亡届を出した時に自治体から受け取った「火葬許可証」に、火葬場の印が押されたものです。

埋葬許可証は火葬後に火葬場の職員から受け取り、骨壺の入った木箱の中に納められることが多いため、確認しておきましょう。

 

③納骨当日の準備をする

納骨当日の準備を行います。

代表的な準備は、以下の通りです。

  • お寺と法要の日程調整をする
  • 参列者へ連絡する
  • お供え物・お布施などを用意する
  • 会食する場合は食事の手配

必要な準備内容は、納骨先によって異なるため墓地に確認するとよいでしょう。

 

④納骨を執り行う

当日は僧侶や参列者と協力し、心のこもった納骨法要を執り行います。

詳細は法要の規模によって異なりますが、当日の流れをご紹介します。

  • 参列者へのあいさつ
  • 僧侶による読経
  • 納骨
  • 二度目の読経
  • 焼香
  • 法要終わりのあいさつ
  • 会食

挨拶では、参列者へのお礼、ご家族の近況などを伝えます。

参列者と思い出を語り合い、まごころにあふれた法要を行えるとよいですね。

 

 

実際に納骨する際の流れについて説明しました。

選んだ納骨先や、手続きのスムーズさにもよりますが、納骨までは1週間〜4ヶ月ほどの期間が必要です。

良い納骨先を選ぶためには、時間や体力に余裕のあるタイミングで納骨先を検討することをおすすめします。

 

次は、具体的にどのような納骨先があるかをご紹介します。

 

自宅の遺骨を埋葬する5つの方法

自宅の遺骨を埋葬する5つの方法

 

自宅の遺骨を埋葬する方法は、以下の5種類が挙げられます。

  • お墓に納骨する
  • 永代供養にする
  • 樹木葬にする
  • 海や山に散骨する
  • 納骨堂に納骨する

近年はお墓に関する考え方が多様化し、さまざまな納骨方法を選べるようになりました。

どの方法がご家族に一番合うか、一緒に考えてみましょう。

 

①お墓に納骨する

最初に紹介するのは、一般的なお墓に納骨する方法です。

「納骨」と言うと、この方法を思い浮かべる方が多数だと思います。代々のお墓が無い場合は、お墓を新しく建立しましょう。

以前は「家」単位のお墓が一般的でしたが、最近は夫婦2人のみが入る「夫婦墓」、両家の親の遺骨も一緒に納められる「両家墓」なども増えています。

新しくお墓を建てる場合は、墓石建立のために2〜4ヶ月ほどの期間がかかり、選んだお墓に応じた購入費用が必要なことに注意しましょう。

 

②永代供養にする

2番目に紹介するのは、納骨後の供養や遺骨管理を全て墓地に一任する「永代供養」です。

永代供養の代表的なメリットは、以下の4点です。

  • ご家族が回忌法要の開催をする必要がない
  • お墓の掃除などのメンテナンスが必要ない
  • 費用を前払いするため、今後の費用負担がない
  • 墓地がずっとお墓を守ってくれるため、お墓の跡継ぎ問題がない

永代供養の遺骨は他の遺骨と混じり、合同の墓石や慰霊塔で供養されることが一般的です。

法要は年間スケジュールに沿った、合同の月例法要やお彼岸、元旦法要などが執り行われます。

最初から他の方と一緒に埋葬・供養されることに違和感を覚える方は、個別の供養期間がある墓地がおすすめです。

 

③樹木葬にする

3番目に紹介するのは、樹木や草花を墓標とする「樹木葬」です。

樹木葬は決まった供養の形がなく、3種類のタイプがあると言われています。

  • 里山タイプ・・・山林に掘った穴に直接遺骨を納め、その上に植樹する
  • 公園タイプ・・・大きなシンボルツリーの周りに穴を掘り、遺骨を納める
  • 庭園タイプ・・・シンボルツリー、花や低木の周りに納骨区画があり、骨壺を納める

近年はガーデニングのような美しさを誇る、庭園タイプの樹木葬が人気を集めています。

上のタイプ分けはほんの一例であり、故人の名前を刻むプレートや墓誌の有無など、細かな内容は墓地によって異なります。

何年かすると他の方の遺骨と合葬する墓地も多いため、納骨方法の詳細をよく確認するとよいでしょう。

 

④海や山に散骨する

4番目に紹介するのは、海や山に粉末状にした遺骨を撒く「散骨」です。

墓地以外の場所に埋葬できるの?と思った方もいらっしゃると思います。

穴を掘って遺骨を埋めるわけでは無いため、散骨は「節度を持って行えば違法ではない」という方針が国からは出されているのです。

しかし、山への散骨は土地所有者の許可が必要で、海への散骨も人の居住地や漁場近くは避ける必要があります。

素人が問題なく散骨することは難しいため、散骨の希望がある場合は専門業者への相談をおすすめします。

 

⑤納骨堂に納骨する

最後に紹介するのは、墓地が用意したお堂の中に骨壺を納める「納骨堂への納骨」です。

元来、納骨堂は納骨するまでの一時預かりの遺骨や、分骨の一部を納めるためのお堂でしたが、納骨堂で長期間供養する方法が近年注目を集めています。

納骨堂のメリットは、以下の5点です。

  • 天候に左右されずお墓参りができる
  • 生花や線香を使わない納骨堂も多く、手ぶらでお墓参りができる
  • 遺骨が室内で保管されるため清潔を保てる
  • バリアフリーの納骨堂も多い
  • お墓の掃除が簡単かほぼ不要

納骨堂には墓石が無いことが多く、一般的には納骨堂内の位牌や骨壺にお参りをします。

高度に機械化された都心部の納骨堂、ご家庭ごとの立派な仏壇を供えた納骨堂、利用しやすい価格のコンパクトなブースの納骨堂など、納骨堂ごとに特色はさまざまです。

また、納骨堂は永代供養がセットになっていることも多いため、将来のお墓の管理に不安がある方にもよく選ばれています。

納骨堂を併設するお寺や墓地も増えているため、調べてみるのもおすすめです。

 

番外:分骨なら手元に一部の遺骨・遺灰を残せる

納骨して遺骨と離れることに、大きな喪失感や淋しさを覚える方もいらっしゃるかもしれません。

遺骨でも、一緒にいてくれた故人と離れるのはとても辛いことでしょう。

その場合は、遺骨の一部を分骨して手元に残す方法もあります。

粉末状にした遺骨をアクセサリーやキーホルダーにして持ち歩いたり、手のひらサイズのコンパクトな骨壺に少量の遺骨を納める方法が手軽に実施可能です。

身近に遺骨がある方が安心できるなら、分骨を取り入れるのも良いかもしれませんね。

 

 

5種類の納骨方法をご紹介しました。

さまざまな方法があることに驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

埋葬時に骨壺から出した遺骨はお墓の引っ越しができないため、埋葬方法はよく考えてから決めたいものです。

そこで、次は納骨先を選ぶ際によく考えたいポイントをご紹介します。

 

納骨先を選ぶ際に考えたいポイント

納骨先を選ぶ際に考えたいポイントは、以下の5点です。

  • 家族がお参りしやすい場所か
  • 故人が気持ちよく眠れる場所か
  • お墓の管理が大変では無いか
  • 費用面に無理が無いか
  • お墓の管理ができなくなった時にどうするか

お墓は長い付き合いになるため、細かな点まで確認してから契約する必要があります。

1つずつ、順番に見ていきましょう。

 

①ご家族がお参りしやすい場所か

納骨先は、ご家族がお参りしやすい場所を選びましょう。

納骨先を決めた時は苦にならない距離も、年を取ると大変に感じることがあるからです。

交通アクセスは、以下のポイントにも注意が必要です。

  • 駅からの距離、坂や歩道などの歩きやすさ
  • バスの本数やバス停からの距離
  • 駐車場の広さ
  • 駐車場からお墓までの距離や階段
  • 参拝者の休憩スペースの有無

資料に頼らず、実際に歩いたり、バスに乗って確かめるとよいでしょう。

 

②故人が気持ちよく眠れる場所か

故人が気持ちよく眠れる場所かも、必ず考えたいポイントです。

墓地の雰囲気、供養を依頼する住職の人柄、埋葬方法などをよく調べましょう。

実際に見ないと分からないことも多いため、契約前に足を運んで見学することをおすすめします。

 

③お墓の管理が大変ではないか

お墓の管理の大変さも、必ず考えなければなりません。

好きな印字や墓石デザインを選べる新しいお墓に、大きな魅力を感じる方もいるでしょう。

しかし、墓石を建てるお墓は、お墓の掃除や回忌法要の開催、年間管理料の支払いなどが必要です。

将来、離れた場所に住むお子さんがお墓を引き継いでも、管理は大丈夫でしょうか?

納骨先を決める際は、長い目で見たお墓の管理を考えるとよいでしょう。

 

④費用面に無理がないか

費用面に無理がないかも、よく検討してから納骨先を決めましょう。

お墓の初期費用は、納骨先によって10万〜300万ほどと大きな幅があります。

個別供養の場合は、年間管理料や法要の際のお布施、お供え物などの費用も必要です。

供養を続けるためには、費用面の無理は避けたいものです。

これから必要な費用を考慮して、無理のない規模のお墓を選択しましょう。

 

関連記事:

納骨のタイミングに期限はある?納骨時期ややり方について解説します

 

⑤お墓の管理ができなくなった時にどうするか

お墓の管理でも触れましたが、納骨先を決める際は、将来のお墓の管理を考える必要があります。

年間管理料が支払われず、誰も供養に訪れない荒れ果てたお墓である「無縁仏」をご存じでしょうか。

無縁仏になるのは古ぼけたお墓のイメージがあるかもしれませんが、実際は建立後3〜40年の比較的新しいお墓も無縁仏になっています。

無縁仏の問題が有名になったこともあり、近年はお子さんにお墓の面倒をかけたくないと、生前に自分やご家族の永代供養墓を予約する方が増えています。

お墓の管理に不安がある場合は、永代供養つきのお墓や納骨堂も選択肢となるでしょう。

 

「お寺でまるっとお葬式」は、火葬からお寺への葬儀・納骨が全てセットになった葬儀プランです。
永代供養が付いているため、事情により法要が難しい方、高齢・体が不自由などで法要ができない方も安心して大切な方を供養いただけます。 

 

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自宅からオンライン参加も可能です。

離れた場所でも、スマホなどのデバイス15台まで同時に参列できます。

 

お寺でお墓(納骨)

お葬式をおこなった寺院の納骨施設で、丁寧に永代供養させていただきます。

3年・7年・13年プランにより、個別にご供養させていただきます。

 

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月命日・お彼岸・お盆など、毎月お寺から合同法要の様子がオンラインで配信されます。

お寺にお参りに行くことも可能です。

 

世界から法事

四十九日・一周忌・三回忌なども、オンラインでおこなうことができます。

海外にも配信されるので、離れたご家族様などにも喜ばれます。

 

まとめ

遺骨の自宅保管に問題はなく、保管期限も定められてはいません。

手元供養をいつまで続けるかはご家族の判断で決めることができます。

しかし、いつかは納骨するべき時が来る可能性が高いでしょう。

満足いく納骨先を見つけるために、時間や体力に余裕のあるうちに納骨先を検討しておくことをおすすめします。

故人が気持ちよく眠れ、ご家族がお参りしやすい納骨先を見つけられるとよいですね。