【この記事を書いた人】
CLASSIX株式会社 営業/終活アドバイザー
葬儀費用がない場合の対処法、費用相場、注意点を解説します
葬儀にはまとまった費用が必要とよく言われていますよね。
あらかじめ準備してあればよいのですが、いきなりのご不幸の場合、葬儀費用を用立てられるか不安に思う方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、以下の6点を中心に解説します。
- お金が無いと葬儀はできないのか
- 葬儀費用の相場
- 葬儀費用は誰が払うのか
- 葬儀費用がない時の助けになる補助金
- 葬儀費用がない時の対処法
- 葬儀後の供養に必要な費用
費用を抑えて丁寧に供養する方法もご紹介しているので、ぜひ最後までお読みください。
お金が無いと葬儀はできないのか
「葬儀費用が無い」という言葉は2種類の状況で使われます。
- 一般的にイメージする大きな葬儀をする費用がない
- 火葬をする最低限の費用がない
どちらの状況なのかで、対応は大きく異なります。
① 大きな葬儀をする費用がない
1つ目は「一般的にイメージする大きな葬儀をする費用がない」状況です。
「葬儀費用がない」とおっしゃる方は、100万円を超えるような大きな葬儀を想定していることが多いように思います。
以前の葬儀は、お通夜と告別式の両方を執り行い、多くの参列者を招くことが一般的でした。
しかし、現在は家族や親しい人のみを招待する「家族葬」や、お通夜・告別式を1日で済ませる「一日葬」、お通夜・告別式のどちらも執り行わない「直葬」の割合が増えています。
新型コロナウイルスの影響もあり、大人数が集まる葬儀は少なくなっています。
無理の無い範囲に規模を縮小し、心のこもった小さな葬儀を検討するのはいかがでしょうか。
②火葬をする最低限の費用がない
2つ目は「火葬をする最低限の費用がない」状況です。
お通夜や告別式を執り行わなくても、ご遺体の火葬から埋葬には最低限の費用が必要となります。
その最低限の費用を用意することも難しい場合、生活保護法による葬祭扶助があります。
「生活保護法」の名の通り、基本的には生活保護を受けている方向けの制度です。
葬祭扶助の対象は「ご遺体の死亡確認」「ご遺体の運搬」「火葬または埋葬」「納骨などの葬祭」に限られるため、お通夜や告別式を執り行うことはできません。
扶助の詳細は自治体によって異なるため、利用する場合は福祉事務所に問い合わせましょう。
葬儀費用がない場合、2種類考えられることを説明しました。
ご自身がどちらに当てはまるかによって必要な情報も異なると思います。
まずは、一般的にはどの程度の費用がかかるかを説明します。
葬儀費用はどの程度必要なのか
2022年の「第5回お葬式に関する全国調査」では、葬儀費用全体の相場は110.7万円でした。
2020年に行われた第4回の調査よりも73万円ほど減少し、葬儀の小規模化が進んでいることが分かります。
ここからは、葬儀方式ごとの費用相場と、葬儀費用の内訳について簡単に説明します。
葬儀費用について詳しく説明した記事もご用意しているので、参考にしてください。
内部リンク:葬儀費用の相場はいくら?内訳や補助金も紹介します
葬儀方式ごとの費用相場
葬儀は規模や方法によって4種類に分けられます。
4種類の葬儀内容と特徴、費用相場は以下の通りです。
葬儀の内容と特徴 | 費用相場 | |
一般葬 | 故人の知人を広く招待する
従来の葬儀方法 |
200万円ほど |
家族葬 | 家族を中心とした小規模な葬儀方法
葬儀の方法は一般葬と同じ |
100万円ほど |
一日葬 | お通夜・告別式を1日で執り行う葬儀 | 50万円前後 |
直葬 | お通夜・告別式を執り行わず、直接火葬場に向かう方法 | 15~25万円ほど |
実際の費用は葬儀ごとに異なりますが、小規模な葬儀ほど必要な費用も少ない傾向にあることが分かります。
葬儀費用の内訳
葬儀で必要な費用は、主に4種類に分けられます。
主な内容 | 費用相場 | |
葬儀本体の費用 | 葬儀社の基本プランに該当
・葬儀会場使用料 ・祭壇、棺、遺影費用 ・司会などの人件費 ・寝台車、霊柩車の費用 ・火葬費 |
67.8万円 |
飲食・接待費 | ・通夜振る舞い
・葬儀場での会食費 |
20.1万円 |
僧侶へのお布施 | ・葬儀の読経に対するお布施
・戒名料 |
・22.4万円
・戒名ランクにより20~100万円 |
追加サービス費用 | ・湯灌
・エンバーミング ・プラン内容のグレードアップ |
サービスごとに異なる |
(葬儀本体の費用、飲食・接待費・読経に対するお布施の相場は、2022年第5回お葬式に関する全国調査より引用)
葬儀本体の費用が全体の半分以上を占めることが多いのですが、参列者が多い葬儀では飲食・接待費が膨らむことも珍しくありません。
また、基本プランに含まれる内容は葬儀社によって異なるため、プラン内容もよくチェックして葬儀社やプランを決定しましょう。
葬儀費用の相場について説明しました。
では、この葬儀費用は誰が支払うのでしょうか。
次は、葬儀費用の支払い者について説明します。
葬儀費用は誰が支払うのか
葬儀費用は、葬儀の責任者である喪主が支払うことが一般的です。
喪主は故人の配偶者やお子さんなど、故人に近い血縁の方が務めます。
しかし、葬儀費用の支払者を定めた法律はないため、遺産相続者や親族全体で費用を分担しても問題はありません。
葬儀費用が心配な場合、使える補助金があれば申請したいと考えることは当然でしょう。
そこで、次は葬儀費用の支払いを助ける補助金について説明します。
葬儀費用の補助金制度
葬儀費用の補助金は、故人が加入していた健康保険による葬祭費・埋葬費があります。
支給額は保険組合によって異なりますが、2万円〜10万円のことが多いようです。
葬祭費の振込先が、葬儀費用を支払った方の口座に限定される自治体もあるため、申請時は書類を確認しましょう。
葬祭費の申請期限は葬儀日の翌日から2年間です。
以前は東京都港区のように、直葬は葬儀と認められずに葬祭費の支払い対象外とされた自治体もありました。
しかし、新型コロナウイルスの影響で直葬にせざるを得ない事例が増えたため、現在は港区を含め、直葬も葬祭費の支払い対象になる自治体が増えています。
支給の詳細は自治体や健康保険組合ごとに異なるため、確認しておきましょう。
葬儀費用の助けになる補助金についてご紹介しました。
しかし、補助金だけで葬儀費用をまかなうことは非常に難しいですね。
次は、葬儀費用が無い場合の対処法をご紹介します。
葬儀費用がない場合の対処法
葬儀費用がない場合の対処法は、以下の6つがあります。
- 葬儀の規模を小さくする
- 自治体に申請して市民葬・区民葬にする
- 故人の預金を利用する
- 故人の生命保険を利用する
- クレジットカードの分割払いを利用する
- 葬祭ローンを利用する
順番に見ていきましょう。
①葬儀の規模を小さくする
1つ目の方法は、葬儀の規模を小さくすることです。
大規模な葬儀では、多くの葬儀費用が必要となります。
そのため、葬儀会場を小規模にしたり参列者を絞ることで、葬儀費用を抑えることが可能です。
大切なのは葬儀の規模よりも、参列者の1人1人のまごころではないでしょうか。
②自治体に申請して市民葬・区民葬にする
2つ目の方法は、自治体に申請して市民葬・区民葬にすることです。
市民葬・区民葬とは、自治体提携の葬儀社による、価格を抑えた葬儀のことです。
区民葬の例として、東京都世田谷区の利用手順をご紹介します。
- 区民葬ができる葬儀社を選び、「区民葬儀券」の利用を伝える
- 区に死亡届を提出する際に、区民葬儀券を受け取る
- 葬儀社に区民葬儀券を提出する
区民葬儀券の対象外となる斎場使用料、お花代などはご家族負担となります。
市民葬・区民葬の制度は自治体によって異なるため、希望する場合はお住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
③故人の預金を利用する
3つ目の方法は、故人の預金を利用することです。
亡くなった方の銀行口座は凍結されるため、引き出すことは不可能になります。
しかし、銀行が口座名義人の死亡を知らないことも多いため、キャッシュカードを利用して凍結前の口座から葬儀費用を引き出すご家族もいらっしゃるようです。
また、2019年7月に「遺産分割前の相続預金払い戻し制度」が施行され、法律で定められた金額を遺産分割前に金融機関から引き出せるようになりました。
150万円という上限はありますが、正式な方法で資金を引き出せるので覚えておきましょう。
④故人の生命保険を利用する
4つ目の方法は、故人の生命保険の「死亡保険金」を利用することです。
死亡保険金を請求できるのは、保険契約者もしくは保険金受取人となります。
死亡保険金請求の流れは、以下の通りです。
- 生命保険会社に連絡する
- 生命保険会社から書類と請求書が送られてくる
- 必要な書類を揃え、請求手続きを行う
- 保険会社に書類が届いてから5~6営業日で保険金が支払われる
葬儀費用の支払い期限は即日〜1カ月程度と、葬儀社によって異なります。
保険金を葬儀費用の支払いに充てる場合は、支払い期限に保険金が間に合うか必ず確認しましょう。
⑤クレジットカードの分割払いを利用する
5つ目の方法は、クレジット払い対応の葬儀社に限られますが、クレジットカードの分割払いを利用することです。
一括払いが難しい金額も、分割払いなら支払いやすいでしょう。
しかし、葬儀費用の支払いだけでカードの利用限度額に達することも珍しくありません。
普段のクレジットカード利用に支障をきたす可能性があるため、注意しましょう。
⑥葬祭ローンを利用する
6つ目の方法は、葬祭ローンを利用することです。
葬祭ローンとは利用目的を葬祭に限定したローンのことで、葬儀社が提携するもの、銀行によるものなどがあります。
支払い能力を確認する与信審査があるため、審査に通らなかった場合は希望の金額を借りられないこともあるようです。
利用目的の定めがないフリーローンよりは利息が低めに設定されていますが、返済を考えて計画的に利用しましょう。
<葬祭ローンの例>
貸出可能な金額 | 利息 | |
A社 | 10万円~500万円 | 年5.4% |
B社 | 3万円~300万円 | 実質年率7.2% |
C社 | 記載なし | 1回払い:アド2.936%
6回払い以上:実質年率10% |
(ローン情報は2023.3のものです。利用する場合は最新の情報をご確認ください)
ここまでは葬儀に必要な費用について説明しましたが、葬儀が終わった後も供養に費用が必要なことはご存じでしょうか。
ここからは、葬儀後の供養に必要な費用を解説します。
葬儀後の供養に必要な費用
葬儀後の供養に必要な費用は、以下の3種類が代表的です。
- 納骨費用
- お墓の管理料
- 回忌法要などの費用
1つずつ順番に解説していきます。
①納骨費用
1つ目の費用は、納骨費用です。
四十九日法要で納骨する場合、納骨費用は葬儀の支払いが終わってまもなく必要となります。
お墓の有無や納骨方法によって異なりますが、新たにお墓を購入する場合は200万円以上の費用が必要になることもあります。
納骨先がない場合は、どこに納骨するかも合わせて考えておきましょう。
内部リンク:納骨に必要な費用の目安は?費用の内訳や納骨堂、永代供養などの費用相場を解説します
②お墓の管理料
2つ目の費用は、お墓の管理料です。
昔ながらのお墓を利用する場合は、初期費用と別に年間1万円ほどの管理料を支払います。
管理料が支払われないと、供養する縁者のいない「無縁仏」とみなされ、お墓が撤去されることもあるので注意しましょう。
③回忌法要などの費用
3つ目の費用は、回忌法要などの費用です。
一般的には、葬儀の後は以下のタイミングで法要が執り行われます。
回忌法要は三十三回忌を弔い上げとする宗派が多いのですが、近年は早めに弔い上げをするご家族も増えているようです。
- 四十九日
- 初盆
- 一周忌
- 三回忌
- 七回忌~三十三回忌
法要の開催には、僧侶へのお布施やお供え物の費用、会食費用などが必要になります。
近年は法要の開催を負担に感じる方、お墓の管理に不安がある方を中心に、納骨後の遺骨管理や法要を全てお寺にお任せする「永代供養」を選ぶ方も増えています。
故人の供養には、葬儀費用だけではなくその後の供養に必要な費用も合わせて考える必要があることを説明しました。
葬儀後にお墓を購入した場合、葬儀費用と合わせると300万円を超える費用が必要になることも珍しくありません。
「お寺でまるっとお葬式」なら、火葬の手配から葬儀・納骨・年12回の法要まで全てを含んでおり、安心価格で大切な方をご供養頂けます。
葬儀のオンライン参列にも無料で対応しているため、離れた場所の方にも故人の旅立ちを見送っていただけます。
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お寺でお葬式
直葬で火葬した後、お寺の本堂でお葬式を執り行います。
自宅からオンライン参加も可能です。
離れた場所でも、スマホなどのデバイス15台まで同時に参列できます。
お寺でお墓(納骨)
お葬式をおこなった寺院の納骨施設で、丁寧に永代供養させていただきます。
3年・7年・13年プランにより、個別にご供養させていただきます。
年12回法要
月命日・お彼岸・お盆など、毎月お寺から合同法要の様子がオンラインで配信されます。
お寺にお参りに行くことも可能です。
世界から法事
四十九日・一周忌・三回忌なども、オンラインでおこなうことができます。
海外にも配信されるので、離れたご家族様などにも喜ばれます。
まとめ
葬儀費用がない場合の対処法や注意点についてご紹介しました。
葬儀には多額の費用が必要になることも多いのですが、葬儀方式や葬儀の規模を検討することで費用を抑えることも可能です。
納骨の費用までを総合的に考え、無理のない規模の葬儀を執り行いましょう。
まごころにあふれた供養が執り行えることを、心より祈っております。